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2026.10.13 コラム 原野商法

北海道の原野商法とは?二次被害・相続・土地の処分方法を司法書士が解説|ソーシャルライツ

執筆:株式会社ソーシャルライツ 代表取締役・司法書士 関根陽介

「親が昔買った北海道の土地を相続したけれど、どこにあるのか分からない」
「不動産会社に相談しても、売れないと言われた」
「子どもや孫に、この土地の問題を残したくない」

弊社には、こうした原野・山林に関するご相談が多数寄せられています。

原野商法は、過去に土地を購入したときの被害だけで終わる問題ではありません。購入からおよそ50年が経過した現在も、売却や利用が難しい土地が残り、その問題が相続によって次の世代へ引き継がれています。

この記事では、原野商法の意味と二次被害への注意点、相続した場合の対応、土地を手放すための選択肢について、相談の現場での経験を交えて解説します。

原野商法とは

原野商法とは、将来の値上がりの見込みが乏しい原野や山林などを、「開発が進む」「将来高く売れる」などと偽って説明し、不当に高い価格で販売する商法です。1970年代から1980年代にかけて社会問題となりました。

当時は、経済成長や交通網の整備への期待を背景に、北海道の土地が道外の方にも広く販売されました。購入された土地の中には、広い原野を小さな区画に分け、住宅地や別荘地のような図面で紹介したものもあります。

しかし、登記簿に土地が存在し、公図に道路のような区画が描かれていても、実際に住宅や別荘を建てられるとは限りません。図面上の道路はただ区画割りされているだけでは法律上の道路として扱われず、建築基準法を鑑みると、建物が建てられない土地となってしまっていることが多いです。

私どもが向き合っているのは、こうした経緯で販売された土地が、現在も所有者やご家族の負担として残っている問題です。

原野商法で購入した土地が売れない理由

原野・山林の売却が難しい理由は、土地によって異なりますが、次のような条件が重なっていることがあります。

  • 土地へ行くための道路がない
  • 電気や水道などの設備が整っていない
  • 都市計画上の規制などにより、希望する利用が難しい
  • 土地の位置や境界が分からない
  • 区画が小さく、単独では利用しにくい
  • 買い手の需要が乏しい、市場が存在しないに等しい

例えば、「ニセコの近くにある土地」と聞くと、近年の開発や地価上昇を期待される方もいらっしゃいますが、所在の特定さえ難しい原野を売却するのは非常に困難だと考えております。

原野商法の二次被害に注意

原野商法の土地を手放したいという気持ちにつけ込む「二次被害」にも注意が必要です。

代表的な手口には、次のようなものがあります。

  • 「買い手がいる」と説明し、測量費や広告費を先に支払わせる
  • 「高く売るために必要」と説明し、整地や草刈りなどの契約をさせる
  • 土地を買い取る条件として、別の原野や山林を購入させる

費用を支払っても売却されず、土地が手元に残ったまま、業者と連絡が取れなくなることもあります。

国民生活センターも、こうした二次被害への注意を呼びかけています。

「今度こそ手放せるかもしれない」という期待を利用して、費用だけ払わせて何もしない、という業者も多数確認しております。

遠方の業者の広告やDMにはよく注意をしていただければと存じます。

参考:国民生活センター「土地売却のため? 金銭を請求されたら要注意 原野商法の二次被害」

原野商法の土地を相続したら

まず所在と名義を確認する

相続をきっかけに、ご親族が北海道に原野や山林を所有していたことを初めて知る方もいらっしゃいます。

古い権利証、固定資産税の通知書、購入当時の契約書などをきっかけに、弊社へご相談いただくことが多いです。

弊社は無償で、所在・地番、現在の登記名義、共有者や抵当権の有無などを確認し、可能な限りの所在調査を行い、弊社にてお引き受け可能な場合は、お見積り書を提出させていただいております。

固定資産税の通知が来ていないからといって、土地を所有していないとは限りません。課税されていない土地もあるため、必ず市町村の名寄帳などを確認させていただきます。

不要な土地だけを相続放棄することはできない

「原野だけ相続放棄して、預貯金や自宅は相続したい」というご相談もあります。

家庭裁判所で行う相続放棄は、被相続人の権利や義務を一切引き継がないための手続です。不要な土地だけを選んで放棄することはできません。

原則として、自分のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内という期間もあります。相続放棄を検討する場合は、土地だけでなく、ほかの財産や借金、ご家族への影響も含めて、かならず司法書士・弁護士と相談しながら進めていただきたいと存じます。私どもに相談いただくことも可能です。

参考:裁判所「相続の放棄の申述」

原野商法の土地を処分するための選択肢

私どもは、土地ごとの条件を確認したうえで、利用できる方法を検討しておりますが、基本的に、売却や無償譲渡は難しい状況のため、自治体への寄付若しくは、不動産の引受で解決するのが殆どです。

自治体への寄付

ソーシャルライツでは、北海道内の179市町村に、原野・山林の寄付の受入方針を電話で確認致しました。

受入れの可否や条件は自治体によって異なり、土地ごとの判断が必要とされる場合もありましたが、地域によっては寄付受けの可能性もゼロではありません。

寄付を検討する際には、現在の受入方針と、その土地が条件を満たすかを個別に確認します。寄付できる可能性があれば、司法書士として自治体への名義変更をサポートさせていただきます。

相続土地国庫帰属制度

相続などで取得した土地については、一定の要件を満たす場合に、国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」を利用できる可能性がありますが、原野商法の土地は接道がされておらず、境界も明らかでないことが大半のため、殆ど利用できないのが実情です。

利用可能性が高い土地でも、帰属承認率は良くて50%程度のため、お客様には中々ご提案できない状況です。

費用の点も問題で、申請時には一筆当たり1万4,000円の審査手数料、承認後には別途負担金を納めます。負担金は20万円が基本ですが、場合によっては面積に応じた算定となるため、一律ではありません。

申請準備の調査費用なども含めて検討しなければなりませんし、簡単ではありません。

参考:法務省「相続土地国庫帰属制度の概要」

民間法人による有償引取

売却や寄付が難しい場合には、費用を支払って民間法人に土地を引き取ってもらう方法もあります。

ソーシャルライツでは、北海道内の原野・山林等を対象に、調査のうえで引受けが可能と判断した土地を、有償で取得していますが、この方法では確実に手放すことができるのが、最大のメリットとなります。

弊社の場合は、原野商法の土地であれば、1筆10万円(+消費税)+登記費用にてお引き受けさせていただいております。

所在調査、見積までは無償で行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

土地の行き先が決まることで相続手続が進むことも

私どもが関わった事例には、相続人の誰も原野を取得したくないため、遺産分割協議がまとまらず、調停に至ったものがあります。

その事例では、弁護士が進めていた手続の中で、当社が土地を引き受けられることを示し、引受費用の負担について話し合っていただきました。土地の行き先が見えたことで、調停の成立につながり、解決に寄与できた案件もありました。

ほかにも、清算中の法人に一筆だけ残っている原野を弊社が引き受けることによって、清算を無事に結了することができた事例や、成年被後見人所有の原野を弊社が引き受けることで、相続財産になる前に対策することもできました。(相続財産になってしまうと、遺産分割協議が非常に難航しそうな事例でした。)

原野商法の土地は、一筆の処分だけでなく、遺産分割、会社の清算、成年後見など、ほかの手続が進むかどうかにも関わることがあります。

ソーシャルライツの取り組み

私は司法書士として、原野商法の土地に関する相談を受ける中で、「子どもや孫に迷惑をかけたくない」という言葉を繰り返し伺ってきました。

相続登記を済ませても、土地の行き先がないままでは、その不安が残ってしまう。そこで、相談と調査に加え、引受けが可能な土地について法人が所有し、管理する仕組みをつくろうと考え、ソーシャルライツを設立しました。

引受料は、土地を取得するためだけでなく、その後の税金や管理への備えとなる資金でもあります。

土地を法人名義に移すだけで、将来の課題がすべてなくなるわけではありません。

法人として管理を続けるに当たり、財務体質の強化は非常に重要で、弊社は引き受け料の大半をプールし、運用することで金融資産を保っており、将来的には一般財団法人・公益財団法人を設立し、より法的安定性の高い形で原野商法の土地の保有・管理を続けていきたいと考えております。

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原野商法の土地でお困りの方へ

「どこにあるか分からない」
「相続したものの、どうすればよいか分からない」
「ほかの相談先では解決方法が見つからなかった」

そのような場合も、まずはお手元の資料から、土地の状況を確認することができます。

引受対象は北海道内の土地ですが、道外にお住まいの所有者様や相続人様からもご相談いただけます。費用が必要な手続や引受けについては、内容と見積りを確認いただいたうえで進めます。

原野商法の問題を、次の世代へ残さないために。
私どもは、土地の権利と登記に携わる司法書士として、所有者やご家族とともに、土地のこれからを考えていきます。ぜひ、お気軽にご相談下さいませ。

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